バルセロナの新たな至宝として期待を浴びる若きプレーメーカー。もともと持ち前のテクニックと機敏性で相手ディフェンスを翻弄(ほんろう)するタイプだが、バルセロナでオフ・ザ・ボールの質や周りを生かすビジョンなど、クリエーティブな才能が開花した。
2021-22シーズンの開幕時点で18歳という年齢から、バルセロナのカンテラ育ちと誤解されることもあるが、実はカナリア諸島の2部ラス・パルマスからトップデビューした経歴を持つ。大先輩には元スペイン代表のフアン・カルロス・バレロンがいる。
良質なアタッカーをそろえるバルセロナでは前線を追い越すようなプレーや個人の仕掛けはあまり多く出さないが、必要があればリミッターを外してゴール前に直接関わっていく。そうした傾向はバルセロナ時代のイニエスタに通じるものがある。
アンダーカテゴリーの代表に初招集されたのは2019年だが、瞬く間に“飛び級”を重ねて、2021年3月にA代表デビュー。そこから夏のEURO、さらにU-24世代とオーバーエイジで構成される東京五輪の主力としても活躍、銀メダルを獲得した。
バルセロナで2シーズン目にどれだけの輝きを見せてくれるのか。タイプは異なるものの、大エースだったメッシが去ったバルセロナで、新時代の大黒柱になるべき一人として期待が高まる。